水野です。映画や舞台の現場で活躍している殺陣師・野口尋生先生をお招きして、9月21日にアクション道場を開催しました。基本をしっかり押さえつつも実践的な殺陣レッスンで、75分があっという間。経験者にも学びが多く、参加者の満足度はかなり高かったです。普段なんとなくやっている動作の意味を改めて考えるきっかけにもなりました。

キッズクラスも大人クラスも75分ずつ。刀の握り方や構え方、一見すると小さな違いですが、表現者にとっては大きな差になります。ひとつひとつの所作に込められた意味や、長く受け継がれてきた伝統を知ることで「なるほど!」の連続でした。
青眼の構えの奥深さ
最初に取り上げられたのは「青眼(せいがん)の構え」。剣術や居合ではおなじみの基本姿勢ですが、殺陣の世界では「青眼」や「正眼」と流派によって表記が違います。しかし、意味の違いまでを語る殺陣師は聞いたことがありません。

野口先生は剣道六段の方との会話を紹介しながら解説してくれました。
- 「青眼」は相手の左目を狙う
- 「正眼」は喉元
- 「晴眼」は眉間
- 「臍眼」はへそ
たった一文字の違いで狙う場所が変わります。私は指導者なので知ってましたが、参加者はみんな驚き顔。漢字の奥に意味が隠れていることを知り、殺陣はただの動きではなく解釈を伴った表現なんだと実感することができたと思います。
抜刀のちょっとした工夫
抜刀も興味深かったです。普段通りに刀を抜くと「それだと手を切られてしまう」と先生に指摘され、教えていただいたのは合掌するように両手を合わせるように抜くやり方。試してみると本当にスムーズ。実践的な抜刀でした。

抜刀と納刀は美しく迫力があって、子どもたちの目はキラキラと輝いていました。
殺陣は「安全」だからこそ全力になれる
舞台で殺陣をやるとき、私はリアルさを求めて相手の喉元や脇を狙って振ることがあります(もちろん当たらない距離で)。でも今回の稽古では徹底して「人がいない場所を斬る」ことが求められました。

一見リアルじゃないように思えても、実はその方が思い切り刀を振れる。相手を気にしてブレーキをかけてしまうことがなくなり、結果的に表現が大きく、迫力も増す。安全があるからこそ本気を出せる。特に初心者には有効な指導方法だと思いました。

野口先生は試斬や居合など本物の刀の経験も積んだうえで舞台の殺陣を教えてくださっているので、言葉に説得力があります。








私も試斬をやったことがありますが、実際に斬ってみると、刀のどこで斬るべきか、刀のどこでデフェンスするべきかを意識するようになります。しかし、実際に斬れるからといって良いパフォーマーになるわけではなく、逆もまた然り。安全と表現力、その両方をどう育てるかを学べた貴重な時間でした。
指導者や中上級者レベルでも学びが大きいすばらしいレッスンでした。
刀屋壱さま
— 野口尋生🇯🇵 (@RFWXiLdz9eB6Lwl) September 22, 2025
ありがとうございました
楽しかった#daim0411 #shikonryuusui https://t.co/ErtVdiN82M pic.twitter.com/iEclYSk7WN

野口尋生(のぐち ひろき)
俳優・殺陣師、殺陣道場 士魂流水(しこんりゅうすい)主宰。1967年4月5日生まれ、神奈川県出身。身長168cm、伝統と現代演劇をつなぐ存在として、殺陣指導・演出・講演・イベントなど多方面で活躍中。新国劇で殺陣を学び、JAC(ジャパンアクションクラブ)で身体技術を学ぶ。映像出演:『座頭市』『BALLAD 名もなき恋のうた』ほか、舞台・テレビ・CMにも多数出演
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